2021-文月
『暮れ始める中で咲く白い花』
かねてより訪れたいと思っていた、
太宰治の墓のある三鷹市に訪れた時に撮った写真です。
太宰治の墓とその墓の向かいにある森鴎外の墓にお参りをした後、
太宰に縁のある跨線橋や住居跡そして玉川上水を訪れました。
玉川上水は太宰治が愛人と入水し亡くなった所で、
二人の遺体が見つかった6月19日は奇しくも太宰の誕生日で、
現在はこの日は作品から桜桃忌と名付けられ忌日となっております。
三鷹駅近くから玉川上水の下流に向って沿い歩きながら眺めました。
太宰の亡くなった当時と現在とでは
上水の状態は川幅や深さなど色々と変化しているんでしょうが、
その両岸は流れを覆い隠すように木々が伸びており、
その雰囲気は暗く眺めているだけで何か気持ちが沈むような感じがしました。
一方その溝は両岸合わせて3m位あるものの流れる幅は1m程しかなく、
ここに飛び込んで本当に死ねるのか疑ってしまいました。
この時に撮った花の名前は知らなかったのですが、
この機会に調べてみるとどうもクチナシの花のような感じがします。
多弁なようで根本的な所は語らず謎の多い太宰治に、
ある意味ふさわしい花のように私には思えました。